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令和2年10月1日から、失業給付の制限期間が短縮されます

 雇用保険の失業給付を受ける際の「給付制限期間」が10月1日から2ヶ月間に変更されます。
仕事を辞めざるを得なくなった方には、不安を抱えながら生活する期間が1ヶ月分短くなるので朗報ではあります。

 雇用保険の失業給付を受けるためには、住所地管轄のハローワークに手続きをして「法定待機」の7日間の経過を待ちます。 その後4週間ごとに指定された「認定日」にハローワークへ行き「失業者として認定」された期間が支給の対象になります。

 この「法定待機」の他に、自己都合退職などの場合には「給付制限期間」が3ヶ月設定されています。

 ちょっと乱暴な説明ですが、
  「会社にもいろいろ問題も有ったかも知れない。 けれど、貴方から『辞めます』といったのだから、
  まずは自力で何とかしなさいな。 頑張って見たけれど、どうしても生活できない、就職が上手く行か
  ない等の場合には失業給付で助けましょう。 とりあえず3ヶ月間頑張って下さいね。」 
という事ですね。

 以前、失業給付は被保険者期間が6ヶ月あれば受給可能でした。 当時は「6ヶ月働き、失業給付で3ヶ月(90日給付)食いつなぐ」のがパターン化した業種もあるとの陰口すらあったものです。

 新聞報道などから察するに「安易な退職を防ぐため」に「給付制限期間」を3ヶ月に設定したのは、上記の様な問題点が顕著になったからでしょう。

 この「給付制限期間」が1ヶ月短くなるわけです。

 「3ヶ月の生活費を確保しておかないと退職が難しい」「特に低賃金の若者の転職機会を阻む」との内容の記載も。 一方で、経団連が「不足する産業に人材を集めるため」に「期間の短縮を提言」ともあり。

 う~ん、どうなんでしょう? 単純に「制限期間が1ヶ月短くなった!」と喜んでよいのか? 実は意図は別にあるのでは? と勘繰りたくなる方もいらっしゃるかもしれませんね?

 「給付制限期間」変更に関するパンフレット(「給付制限期間」が2か月に短縮されます)がこちらです。

 失業給付の手続きに関する諸々の、もう少し詳しい説明が「ハローワークインターネットサービス」のページに記載されています。

 この中で「Q5」に対する答えによると
「正当な理由がない自己都合により退職した場合であっても、5年間のうち2回までは給付制限期間が2か月」となっています。

 9/30に自己都合退職をされた方は給付制限が3ヶ月間あり、翌日の10/1に自己都合退職された方は2ヶ月間の制限で給付が始まる。
 法律の性質上、どこかで切れ目が生じるのは仕方が無い事ですが、これを知っていて退職日を10/1以降に変更した方は、さてさてどの程度いらっしゃるものでしょうか?