労働保険

 労働者災害補償保険法(労災保険)と雇用保険法(雇用保険)、この二つの保険制度を合わせたものが「労働保険」と呼ばれるものです。

○労働者災害補償保険法 (労災保険)とは?

 文字通り、労働者が業務上災害を被った場合に保障する制度です。
業務に密接に関連する通勤途上の災害についても保障されます。

 法律上、労働者を使用した瞬間に労災保険は成立します。
パートやアルバイトの方が、仕事を始めた初日、その瞬間に被災しても当然保障されます。

 ただし、実際には書面による適用の手続きが行われていなければ、行政には判りません。
労災保険の適用手続きには、次の二つの方法があります。

・「個別」と「委託」

 事業所ごとに国と労災保険の契約手続きをすることを「個別」加入と呼んでいます。

 事業所ごとに、事業所を管轄する労働基準監督署に「保険関係成立届」を提出する必要があります。 これにより事業所と国が直接保険契約を結ぶ形になるので、これを「個別」加入と呼んでいます。
 個別加入した事業所には、毎年7月10日申告期限の申告書が送付されて来ます。 これにより事業所ごとに労働保険料を申告納付することになります。

 一方「労働保険事務組合」と委託契約を結び「保険関係成立届」を提出する場合を「委託」加入と呼んでいます。

 委託加入すると、事業所が直接保険契約を結ぶのではなく、労働保険事務組合が事業主の代わりとなり、一括して国と保険関係を結ぶことになります。
 労働保険料は労働保険事務組合に納付します。 委託先の保険料を一括して申告納付する責任を、労働保険事務組合は負うことになります。

特別加入制度

 労災保険は文字通り「労働者」「災害補償」制度です。 労働者ではないもの=事業主や法人役員などは被災しても補償を受けることが出来ません。

 しかし、中小企業においては事業主等も労働者と同様に現場に出て、業務に従事し、労働者と同じように被災する可能性があります。 そこで、事業主等が被災した場合に備えるため、労災保険には「特別加入」という制度があります。

 事業主等が特別加入するためには、労働保険事務組合と委託契約を結ぶことが必要になります。
弊所は「大日本架空労働保険事務協議会」という労働保険事務組合を併設しておりますので、中小企業の事業主様等も安心して労災保険に加入することが可能です。

 なお、労働保険事務組合と委託契約を結ぶと、年間保険料の多寡にかかわらず、年3回の分納が出来ます。 個別加入の場合には片保険年間保険料が20万円未満では一括して納付する必要がありますので、この点でも中小企業の皆様には検討の価値があるでしょう。

○雇用保険法(雇用保険)とは?

 「失業保険」と言われた方がピン!と来る方がいまだに多いのは、雇用保険制度の一番大きな柱が「失業給付」だからでしょう。 その他にも、コロナ禍で休業した方々の事業所に給付をされる「雇用調整助成金」や「育児休業給付金」など、労働者の雇用の安定を図る保険制度です。

以下、説明略。