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年金のお話し

年金のお話し

 間違いやすい年金の問題を、相談事例を基に判りやすく解説します。

  (なお、記事中の数値等は年度によって変更されるものがあります。また法改正などにより、
   記事を書いた後に該当しなくなる内容も出てくる可能性のある事をご承知下さい。)

● 3号遡り認定にご注意  ⇒⇒

 平成17年4月から国民年金の3号被保険者期間の遡り認定が認められるようになります。今まで手続きが漏れて、将来の年金額が減ってしまっていた方も救済されることになります。
 さらに、すでにもらっている方の年金額が増えたり、もらえない方がもらえる様になるケースも有るようですが、中にはチョッと注意の必要な方も・・・。

● 無年金の方が助かるチャンス!  ⇒⇒

 国民年金の遡り納付が出来るようになるかも知れません。
もしこの法案が通れば、「あと数年分の保険料を支払っていないばかりに、年金が支給されなかった」方でも年金の支給が開始されることになるケースが出てくるでしょう。
 すでに年金受給中の方でも、年金額が増額になるかもしれません。

● 銀杯が贈呈されることをご存知ですか?  ⇒⇒

 恩給が受給できない方達に、内閣総理大臣名の書状と銀杯・慰労の品等が贈呈されることをご存知ですか。 これは、総務省所管の認可法人である、平和祈念事業特別基金が行っているものです。

● いよいよ部分年金がスタートします  ⇒⇒

 平成13年4月以降に60歳に達する方々から、いよいよ部分年金がスタートします。
 これにより、どの様に受給をしたら良いのか、ますます判断が難しくなってくるでしょう。
通常か? 一部繰上か? はたまた全部繰上か?
該当する方は、ハムレットの心境でしょうか・・・・・・。

● 3号被保険者の温情救済!?  ⇒⇒

 年金の空白期間を「独自に救済相次ぐ」との記事が、朝日新聞に掲載されました。3号被保険者の抱える問題点の一つが浮き彫りにされた内容です。3号の問題はまだまだ有りますが・・・・・。

● 世代間の仕送り  ⇒⇒

 「年金は、今まで掛けてきた(自分の)ものをもらっている。」
そう思ってらっしゃる方が多いと思います。ところが、現在は納められている保険料が右から左へ年金の支給に廻されている、と言うのが実際の姿です。

● 国民年金の減額率が大幅緩和?  ⇒⇒

 4月7日付けの夕刊で、国民年金の繰上げ受給減額率が、大幅に緩和される方針が発表されました。これにより ● 60歳で受給すると損? 1 の中身も少し変わって来そうです。

● 60歳で受給すると損? 2 ⇒⇒

 「60歳で年金を受給すると減らされて損する。」
よく聞くお話ですが、国民年金と厚生年金とではぜんぜん中身が違う事をご存知ですか?
 今度は厚生年金を考えてみましょう。

● 60歳で受給すると損? 1 ⇒⇒

 「60歳で年金を受給すると減らされて損する。」
よく聞くお話ですが、国民年金と厚生年金とではぜんぜん中身が違う事をご存知ですか?まず、国民年金を考えてみましょう。

● 60歳になれば受給できる訳ではない ⇒⇒

 年金を受給するためには、年齢とともにもう一つ、「受給資格期間」と言う要件があります。

● 年金は手続しないともらえません ⇒⇒

 年金は、黙って待っていたのではもらえません。
年金をもらうためには、「裁定請求書」という書類を提出することが必要です。

● 年金は何故難しいか? ⇒⇒

 「年金は何故こんなに難しいのか?」
答えは「過去を引きずっているから」です。でも、年金って本当に難しいのでしょうか?



●3号遡り認定にご注意

 2月10日付け日経新聞に「平成17年4月、年金制度が変わります。」というご案内が掲載されていました。 紙面の横一杯、縦が一面の1/3と結構大きなご案内でした。
 「yes!年金制度vol.1」のロゴマークが有りましたから、この後も続きがあるのでしょう。

 この中にある「3号被保険者の特例的な届出」について気を付けなければならない点がありますのでご紹介しておきます。

 今までは3号認定も時効の関係で2年間(赤色部分)しか遡ってはくれませんでした。

 今まで

画像の説明

 それが3号被保険者制度の出来た昭和61年までの全期間(緑色部分も)遡って認定してくれるようになるのです。

 4月以降

画像の説明

 「3号被保険者の特例的な届出」は ● 無年金の方が助かるチャンス! でご紹介した内容とは少し違うのですが、受給に必要な加入期間に足りなかった方がこの届出により受給要件を満たし、新たに年金がもらえるようになることもあるでしょう。

 また、すでに受給している方で3号期間に漏れがある場合、この届出をすると年金額が増えることになります。

 新たに年金がもらえるようになったり年金額が増えるのは、3号が認定された翌月分からになります。つまり、条件に該当する方でも、手続きが遅れればその分だけ年金受給も遅れて損をすることになります。

 「3月及び4月は年金相談窓口等が混み合いますので・・・」との記載がありました。該当すると思われる方は、早めに確認をしていたほうが良いでしょう。

 さて、気を付けなくてはならないのは、下の図のように任意加入していた方達です。

画像の説明

 本来3号に該当する方は任意加入できないはずですが、昭和61年以前から任意加入していた方が3号の届出をせずに(気付かずに)そのまま過ごしてしまったケースです。

 このような場合には、本来の3号に認定するのが正しい姿ですから、3号に認定されれば任意加入して支払っていた保険料(黄色部分)が返還されることになります。

 このようなケースで問題になるのは、すでに年金をもらっていらっしゃる方の場合です。

 任意加入(黄色部分)により年金の受給権が発生し、これまで年金をもらってきた(青色部分)方は、遡って3号に認定されるとその間(黄色部分)の保険料は返還されるでしょう。でも、保険料が返還されるということは、途中で発生していた年金受給権がそもそも無かったことになるわけです。

 受給する権利が無かったもの(青色部分の年金)は返還することになるでしょう。

画像の説明

 「遡って3号に認定されるんなら、任意で掛けていた期間も3号に認定される部分も同等になるのはずでしょう? だったら受給する権利も同じように有るんじゃないの?」

 そう思われる方が多いのではないでしょうか?

 確かに受給に必要な加入期間としては同等に見てくれます。問題は受給権が発生する時期なのです。今回の3号遡り認定は手続きをした翌月から効力を発生します。

 つまり、期間としては同等でも受給権発生の時期=年金をもらうことができ始める時期、が違ってくるわけです。上記の図では、3号遡り認定をして初めて年金をもらう権利ができ、そこから将来に渡って年金が支給されます。

 結果として青色部分の年金はもらう権利の無い年金となり、返還することになってしまうという訳です。

画像の説明

 3号被保険者の届出は手続き上非常に漏れが生じやすく、そのためこのように任意加入したままになっていた方も少なからずいらっしゃるようです。

 3号の遡り認定は大変有り難い制度です。該当する方は是非認定手続きをして頂きたいと思いますが、ご自身の加入状況を踏まえた上でお手続きされるようにご注意下さい。

 このようなケースに該当する方は、60代以降の女性が圧倒的に多くなります。
ネットから情報を採っている方は少ないグループと言えるでしょう。 このページをご覧になり、該当しそうなお知り合いの方がいらしたなら、是非教えて差し上げて下さい。

(2005.2.14)


● 無年金の方が助かるチャンス!

 年金受給権が無く、無年金となっている皆さん、朗報です!
年金を受給できるようになるかもしれません!。

 昨今の国会議員のセンセイ方の国民年金未納問題。これを処理して自分達が身奇麗になるために、昭和61年まで遡り、国民年金を納付出来るような法改正を検討しているようなのです。

    「未納の国民年金全額、後払いも」   5月19日付 朝日新聞
    「国民年金未払い 全期間追納可能に」 5月19日付 東京新聞

 これらの記事によると、現在は時効の問題で2年前までしか遡り納付出来ないものを、昭和61年の年金大改正(この時から、20歳以上のほぼ全国民が強制加入となりました)までの全期間追納可能とする様です。

 でないと、国会議員の方々の未納期間がいつまでも残ってしまい、「すねにキズ持つ身」のまま議員でいなければならないからでしょう。

 今までは見向きもされなかった問題が、自分達の尻に火が付いたとたん、すばやい動きです。
 たまには国会議員の皆さん方に、「困ってもらう」事も悪いことではありません。

 前述のように、現在は時効の問題で2年前までしか遡り納付出来ません。
 最近でこそ数は少なくなっていますが、私が年金相談を始めた平成元年当時は、年金を受給するために必要な25年の納付期間が足りず、2年の遡りでもまだ足りず、結果として無年金となってしまた方が、10人中3人程度はいらしたものです。

 当然のことながら、何をどう言っても「年金の保険料が納められるのは、時効により2年前までしか遡れない。」と言う法律は頑としてあるわけで「余裕のある今なら昔の分も納められるのに」と言う場合でさえ門前払いをされていたのです。

 このことに関しては、議員も役所の職員も、何も問題意識を持ってませんでした。「だって、法律で決まっていることだから」と・・・。

 法律を作る国会議員の方々には、もう少し国民の実態を知っていただきたいところです。
 議員の皆さんが「国会議員互助年金」ではなく、国民年金だけであれば、もう少し早く問題点に気が付いていただけたのではないでしょうか?

 また、この法案が通れば、無年金の方々が救われるだけでなく、今現在年金を受給されている方も昭和61年までの間に未納期間があれば、その期間分の保険料を追納する事で、年金額が増えることになるわけです。

 今現在無年金の方も、すでに年金を受給されているが未納期間があり、追納すれば年金額が増えると言う方も、ネットユーザーの割合は少ないでしょう。
 若手の皆さん、ご両親様やおじいさんおばあさん等年金額が増えそうな年代の方々に、是非お伝え下さい。新聞に注意するようお伝え下さい。

(2004.5.26)

 上記内容をアップしたとたん、どうも雲行きが変わってしまいました。

 「年金未納対策法案 今国会成立見送り」 5月27日付 日経新聞
 「年金未納でも後払いOK 法改正、先送りも」 5月27日付 朝日新聞

 民主党との折衝が上手く行かず、今国会では時間切れで成立しそうも無い、との内容です。

 日本人は熱し易くさめ易いところがあります。この先送りで、国会議員の未納問題がうやむやになり、あまり批判を浴びなくなる程時間が経ってしまうと、成立しない恐れもあります。

 国会議員のセンセイ方は、「国会議員互助年金」が有ります。議員年金から見れば、国民年金から支給される金額は僅かなものです。 国民からの批判さえなければ、敢て国民年金保険料の支払をしたいなどとは思っていないことでしょう。

 「継続審議として、秋の国会での成立を目指す。」記事のこの部分を、どうか現実にして頂きたいと思います。

(2004.5.27)


● 銀杯が贈呈されることをご存知ですか?

 恩給が受給できない方達に、内閣総理大臣名の書状と銀杯・慰労の品等が贈呈されることをご存知ですか。
 これは、総務省所管の認可法人である、平和祈念事業特別基金が行っているものです。

 旧軍人軍属の方達で、恩給を受給するのに必要な最短在職年数を満たしておらず、旧軍人軍属の期間を通算して受給できる共済年金・年金恩給などを受給する権利の無い方が、対象となります。 (いわゆる「恩給欠格者」と呼ばれる方達です。)

 支給の内容は以下の通りです。

1.外地等の勤務経験が有り、加算年を含む在職年が3年以上
   内閣総理大臣名の書状
   銀杯
   慰労の品
2.外地等の勤務経験が有り、加算年を含めた在職年が3年未満であるが、実在職年が1年以上
   内閣総理大臣名の書状
   銀杯
3.①外地等の勤務経験は無いが、加算年を含む在職年が3年以上
  ②外地等の勤務経験は無いが、加算年を除いた実在職年が1年以上
   内閣総理大臣名の書状
4.上記に該当し、書状等の請求を行うこと無く亡くなった
   内閣総理大臣名の書状 (ご遺族が請求)

 今回、この広報が日経新聞の3月5日版に掲載されていました。
他の一般紙にも掲載されたことと思います。

 この給付、実は以前にも同様のものが行われておりました。
私の手元にある資料では、  戦後、ソ連・モンゴル人民共和国の地域に強制抑留された方(その遺族)に内閣総理大臣名の書状・銀杯の贈呈。また、公務員の共済年金・年金恩給等を受給していない方には、さらに慰労金として10万円を支給、とあります。

 この強制抑留者の他に、恩給欠格者に対する給付も今回と同様のものが有りました。

 顧問先の社長様で、収容所から脱走した経歴をお持ちの方がいらっしゃいました。
この給付のお話をすると興味を持たれたので、請求のお手伝いをいたしました。
時の総理大臣は村山さんです。
 「まさか、あの戦争に対して、社会党の総理大臣から書状をもらうとは思わなかった」という社長様の言葉が印象的でした。

 この給付は平成5年3月31日が請求期限でした。該当する方がいらっしゃっても、残念ながら、もう支給対象とはなりません。

 今回の恩給欠格者に対する給付も、やがて無くなるかもしれません。
(「4.上記に該当し、書状等の請求を行うこと無く亡くなった」の請求は平成17年3月31日が請求期限。)
 該当する方はお早めに!。

 村山総理大臣の書状と銀杯は、今でも訪問する私を迎えてくれます。

(2002.5.12)


● いよいよ部分年金がスタートします

 平成13年度より、いよいよ部分年金がスタートします。
これでまた一つ、年金が判り辛くなりました。

 昭和61年の年金大改正で、60歳~65歳間は、定額部分+報酬比例部分の金額を「特別支給の老齢厚生年金」として支給することとされました。
 従来60歳から支給されていた方々と、「厚生年金は65歳から支給する。」とした改正内容との激変緩和のため、「当分の間、特別に支給する=特別支給の老齢厚生年金」としたものです。

 この時、60歳~65歳間は「1人1年金の原則」が適用され、厚生年金か国民年金のどちらか一方が支給される(一方しか支給されない)形となりました。それまで、厚生年金と繰り上げ支給で減額された国民年金は、併給することが出来たのに・・・・。

 平成6年の改正で、部分年金が導入されました。
具体的には、定額部分+報酬比例部分である特別支給の老齢厚生年金から、定額部分の支給を遅らせ、年金額の一部分である報酬比例部分だけを「部分年金」として支給しようとするものです。

 これは、「60歳台前半は賃金と年金とで生活を支え、65歳以降は年金を生活の柱とする。」との考えによるものです。

 つまり「65歳までは賃金収入が有るから、年金は少なくても何とか生活できるでしょう?。」(=少なくとも、65歳までは働け!!)と言うことです。

 この部分年金導入と同時に「1人1年金の原則」が問題点となりました。

 「厚生年金の定額部分は65歳以降、老齢基礎年金=国民年金部分(計算上の金額差は出ますが)となる。よって、[厚生年金+国民年金の減額]は、同時に国民年金相当部分をダブって支給することになってしまうため、この形での併給は認めない。[1人1年金]が原則である。」 と言うのが61年大改正の考え方でした。

 ところが、部分年金導入により、国民年金相当部分である定額部分が支給されない事になる訳です。ならば、報酬比例部分と減額された国民年金が同時に支給されても、「1人1年金の原則」の考え方に抵触しないのではないか?

 この様な経緯から、部分年金導入時には、報酬比例部分のみの厚生年金と国民年金の繰上げ受給との併給が出来るようになりました。

 と、ここで終わればさほど難しくはないのですが、国民年金の繰上げ受給には「一部繰上」と「全部繰上」の2通りが有り、通常の厚生年金のみの受給方法と合せて、全部で3通りの方法が有るのです。

 何処がどう違うのか? どの組み合わせが得なのか?
判断の難しい、一筋縄では行かないところです。

(2001.4.1)


● 3号被保険者の温情救済!?

 今日(H12/10/21)付けの朝日新聞朝刊に

 年金加入、バイトで「空白」  「独自に救済」相次ぐ

の記事が載っていました。

 内容は「国民年金の3号被保険者の届出洩れが有った場合、法的には2年間しか遡れないものを、事情に依り2年を超えて遡り加入させている場合が有る」と言うものです。
「ああ、やっぱり有るんだナ。でも、表立ってしまうと不公平感が大きくなって、問題だナ」と言うのが、私の率直な感想です。

 国民年金の3号被保険者は昭和61年4月からスタートした制度で、主たる対象となるのは、いわゆる「サラリーマンの妻」の方々です。 
しかし、制度と手続きの判りづらさから、大勢の方が加入手続きが洩れたままとなりました。

 年金の遡り加入は、時効の関係で2年前までしか認められません。加入洩れに気づいても、2年より以前の期間は未加入期間(いわゆる空白期間)となってしまいます。将来受給する年金額が低くなってしまったり、年金そのものが受給できなくなってしまうケースも出てくるでしょう。

 そこで「平成7年度からの2年間に手続きをすれば、時効の2年に拘わらず昭和61年まで遡り、3号被保険者に該当する期間を認めよう」との特例措置が取られました。

 ところが、この時の特例措置に乗り遅れたり、その後、夫の勤務変更や自らの就・離職などによる種別変更の手続き洩れ、等により、3号被保険者の登録洩れになっている方は、現在でも相当数にのぼると言われています。

 新聞によれば「知らぬ間に加入と脱退の手続きが取られている場合、本人に責任を負わせるのは気の毒」と「温情救済」をしているらしいのです。

 確かに「知らぬ間に加入と脱退の手続きが取られている場合」は気の毒に違いない。が、3号被保険者の制度自体を知らないために未加入の場合には、気の毒ではないのでしょうか?

 行政は「充分広報をしたのだから知らない方が悪い」と、言い切れるのでしょうか?「充分広報をした」のなら、何故このように加入洩れの方が多いのでしょうか?

 空白期間以外にも、様々な問題を抱えた3号被保険者制度。
行政の裁量を総て否定するものではないけれども、公的年金は全被保険者が公平な取扱をされるものでないと、ますます信頼を無くしてしまうと思うのです。

(2000.10.21)


● 世代間の仕送り

 「年金は、今まで掛けてきた(自分の)ものをもらっている。
そう思ってらっしゃる方が多いと思います。 また、それが当然のことだと思います。

 自分で積み立てたものから支給を受ける方式を、「積立方式」と呼びます。
ところが、現在は納められている保険料が右から左へ年金の支給に廻されている、と言うのが実際の姿です。このような制度を「賦課方式」と呼びます。

 では、なぜ「積立方式」ではなく「賦課方式」になっているのでしょう?

 昭和17年6月から保険料納付が始まった労働者年金(19年から厚生年金に改正)の保険料は、おそらく昭和20年8月までに、その大半が使われてしまっているのではないでしょうか?。
 何せ、国の存亡を賭けた「一億火の玉・総力戦」の第二次世界大戦ですから、戦費に消えていったとしても致し方ありません。

 また、大正末期から昭和初期の段階では、日本人の平均寿命は50才台で推移しておりました。子沢山が当たり前の時代でもありました。

 積立方式にしろ、賦課方式にしろ、充分賄える状況だったのです。

 とこが、今や当時では思いも及ばない、人生80年の時代であり、一人の女性が生涯に出産する子供の人数は、1.3人程と激減してしまいました。

 積立方式を放棄せざるを得なくなり、これらのダブルパンチで、今や賦課方式でさえ「火の車」の状態です。

 年金制度のパンフレットに、
「かりに個人が納めた保険料を積み立てて元利合計だけで年金が支給されるとしたら、将来受け取る年金額は利子率に左右されて年代によってまちまちになり、物価上昇で年金の価値が目減りしていく恐れもあります。物価の上昇に合わせて年金額を引き上げられるのも、同じ物価水準にある次世代の保険料で年金を賄うしくみの公的年金だから、できることなのです。」と、書いてありました。

 「親の面倒は子供が見る。それを年金と言う制度にすることで個々の親子間の扶養ではなく、世代から世代への仕送りと考える」という内容のものも読んだことが有ります。

 「なるほど、東大出の優秀な方は上手い表現をするもんだ」と感心したモンです。順送りと言うけれど、今のように若年層が少ない状態では「大掛かりなネズミ講」なんて陰の声も有るようですが。

 でも、本当のところはどうなるかなんて、判らないんじゃないでしょうか?。

 日本が高齢化しているのは、明治・大正時代の大先輩がお元気な結果です。
この年代の方々が卒業されてしまうと、次はいわゆる「団塊の世代」の方々です。

 この年代は人数が多く、年金支給金額も一気に膨らむため「何とか団塊の世代に年金支給が始まる前に」と厚生省は年金改正を進めています。が、この世代は高度成長期に企業戦士として働き、ストレスが多く、運動不足とハイカロリーの食事のため長生きできないと言う話も有るのです。 (団塊の世代の皆さん、ごめんなさい)

 極端な話、「高度成長このかた空気や水は汚れ、食べ物には農薬や添加物、日本全体が濃度の薄いガス室の様なもので、昭和34年以降に生まれた日本人の平均寿命は41才になる。」なんて言う本も出ているくらいですから。

(食生態学研究所 所長 西丸震哉 著 「41歳寿命説」 情報センター出版局 )

 これだと、私はもう先が無いことになってしまいますが、取りあえずまだ何とか生きてます。

 世代間の仕送りを受けられる側に廻るまでは頑張らないと・・・・・。

(2000.10.1)


● 国民年金の減額率が大幅緩和?

 「60才で年金を受給すると減らされて損するから、私は65才まで待つ。」

 よく聞くお話ですが、国民年金と厚生年金とではぜんぜん中身が違う事をご存知ですか?

 国民年金の繰上げ受給のお話は、● 60才で受給すると損? 1で述べましたが、4月7日付けの夕刊各紙に「国民年金の減額率を30%に緩和する」との記事が掲載されました。

 目にとまった方も多かったと思います。
厚生省内ではすでに緩和の方向で決定し、丹羽厚生大臣が閣議の後に発表。近々関係政令を改正するとのこと。財源の問題も有り、政令が改正されるまでは絶対とは言えませんが、おそらく本決まりでしょう。

(2000.4.18)

 上記のような書き出しで始めたこの項目も、6月6日付けの新聞により「事務次官会議で改正案を内定」と、繰上減額率・繰下増額率ともに、ほぼ確定の率が報道されました。

 これにより来年度からの国民年金は、現行制度と比べたとき、3つの点で大きく異なるようです。

 第1点目は、受取額が大きく変わる点です。

 別掲の老齢年金 受取総額(案)の表をご覧下さい。
現行の老齢年金繰上げ受給・受取総額の表と比べてみると、その差が一目瞭然です。

 現行制度では60歳から受給を開始したとして、男性の平均寿命77歳までの総受給額は8,395、200円、女性の平均寿命84歳までならば11,660,000円となります。
(申し訳有りません。 現行の表は75歳までしか掲載していません。計算してみて下さい。)

 これが新制度となると、男性10,132,200円、女性14,072,500円となり、その差は実に男性で1,737,000円、女性で2,412,500円にもなります。

 第2点目は、減額率が1ヶ月ごとに変わる点です。

 現行制度では、60歳の月でも60歳11ヶ月目でも同じ減額率42%でした。
繰上げ受給は申請した翌月からの受給です。このため、受給申請が遅れれば遅れるほど損をすることになります。そこで「繰上げ受給の申請は、必ず誕生日の月末までに済ませる」事が重要でした。

 ところが、新制度では1ヶ月ごとに減額率を0.5%づづ緩和する方針の様です。

 これにより申請手続きが遅れても、その分支給額が多くなるため「誕生日の月末までに申請を済ませる」ことはさほど重要ではなくなります。

 第3点目は、いつから受給するか?の判断ポイントが変わる点です。

 現行制度では、繰上げ受給の累計額を65歳受給の累計額が、72歳までには逆転する形になります。

 この事から「72歳より元気で長生きするのなら、65歳まで待った方が得」と言えたのです。 (さらに、繰り下げ受給も有る)

 ところが、新制度では減額率が一律変化のため、逆転するポイントが平行してずれて行きます。 (図を参照)
これにより、平均寿命から見ると、男性は63歳から、女性は69歳から受給するのが一番お得と言うことになります。

 とはいえ、何歳まで長生きできるのか?が判らない以上、本当に得かどうかは判らない。この点では,現行制度も新制度も同じですけれど・・・。

 新制度が適用されるのは、来年度新たに60歳になられる方からの様です。
4月1日以前生まれの方と、4月2日以降の生まれの方とで随分と大きな差が生じることになってしまします。

 納得しづらいですよネ。

(2000.6.6)


● 60歳で受給すると損? 2

 「60歳で年金を受給すると減らされて損するから、私は65歳まで待つ。」

 よく聞くお話ですが、国民年金と厚生年金とではぜんぜん中身が違う事をご存知ですか?

 ●60歳で受給すると損? 1では、国民年金の場合を考えてみました。 
今度は厚生年金を考えてみましょう。

 厚生年金は国民年金と違い、原則的に受給権が発生したら、減額されることなく100%の年金額を受給する事が出来ます。

 この受給権が発生する年齢が原則60歳(女性の特例で60歳前や、これからの方は61歳 ~~へと年齢が上がって行きますが、この点は別掲 早見表 H・I欄をご覧下さい)ですので、60歳から受給しても損をすることは有りません。

 「でも、仕事をしながら厚生年金をもらうと、減らされるんじゃない?」

 こんな声が聞こえてきそうですね。 
確かに、厚生年金に加入しながら厚生年金を受給する場合には、年金額の一部支給停止があります。しかし、国民年金で言う「減額」と、厚生年金で言う「支給停止」とでは、全く意味が異なるものなのです。

 国民年金の減額は「1度決まったら、終生変わらないもの」ですが、厚生年金の支給停止は「支給停止の原因が解消すれば、また、元の100%の金額に戻る」ものです。
 
 では、その「支給停止の原因」とは何でしょう?

 それは、年金の受給権が発生した後、65歳になるまでのあいだ、「厚生年金の被保険者である」と言うことです。

 「厚生年金の被保険者」であれば、当然お給料がもらえるわけで、ちょっと乱暴な表現ですが「お給料でおまんまが食べられるならば、国も財源が厳しいので、少し我慢してくれませんか?」と、言うわけです。

 65歳を過ぎれば、たとえ厚生年金を適用している会社に勤務していても、制度として厚生年金から卒業させられてしまいますので、支給停止はなくなります。

 また「厚生年金の被保険者=支給停止の原因」を逆に考えれば、「厚生年金の被保険者でなければ支給停止は無い」と言うことになります。

 つまり、自営業や小さな会社で厚生年金を適用していない、適用している会社でも適法に厚生年金の被保険者にならない、等の場合には、収入の多寡に係わらず厚生年金は支給停止されないのです。
100%の年金を受給することが出来ることになります。

 「お給料でおまんまが食べられるならば、国も財源が厳しいので、少し我慢してくれませんか?」と言う理由と矛盾しますが、年金を支給する厚生省は「厚生年金の被保険者でないと受給者の懐具合は判らない」ために、支給停止出来ないのです。

 何か不公平な感じですね。

(2000.4.1)


● 60才で受給すると損? 1

 「60才で年金を受給すると減らされて損するから、私は65才まで待つ。」

 よく聞くお話ですが、国民年金と厚生年金とではぜんぜん中身が違う事をご存知ですか?

 まず、国民年金を考えてみましょう。

 国民年金は、本来65才から、掛けた期間に応じた年金額の100%の金額が受給出来る制度です。ところが、60才から受給したいと言う人も少なからずいらっしゃいます。

 そこで「60才からでも支給しましょう。けれども、5年早く支給するのだから、65才から支給する人と同じ額と言う訳には行きません。65才からの人に比べて58%に減額します」となった訳です。これを、国民年金の繰り上げ請求と言います。

 この減額率は、1度決まったら終生変わらないものです。
ここから「60才で受給すると減らされて損」と言う話が出てくる訳ですが、本当に損なのでしょうか?

 別掲の老齢年金繰上げ受給・受取総額の表をご覧下さい。

 この表は、国民年金を満額受給出来ると仮定して数字を掲載していますが、満額に欠ける方も考え方は同じになります。

 一番右の列、65才からが本来の100%受給で、それより左の列に行くほど減額率が大きくなり、60才からは58%支給になる表です。

 確かに、60才からでは大きく減額されますが、もしも61才になった時に、万が一の事が有ったらどうでしょう? 待っている方は年金は0円ですが、減額されたとは言え1年分でも受給出来た方が得ではないですか?

 しかし、何事も無く65才を迎えれば、今度は65才受給の方が後から追いかけて来ます。

 60才から受給して先行していても、65才受給の方は一歩一歩が大きい(年金額が多い)ために、やがて追い付き追い越して行きます。それが、赤いラインの引いてある72才前後になります。
 この事から言えるのは「72才よりも元気で長生き出来るならば、65才まで待った方が得」と言う事です。

 でも、いつまで生きられるのか? こればかりは判りませんよネ。

 つまり「60才から受給すると減らされて損」とは一概に言えな、い、後になってみないと判らない。と言うのが正解でしょう。

 よく、相談会などで「63才が一番良いんじゃないの、って役所で言われた」と言う方が何人もいらっしゃる地域が有りますが、要は寿命の問題で「63才が一番良い」などとは言い切れません。

 あえて理由をつければ、「65才まで待つのは大変だ。60才では減る額が大きすぎる。中をとって63才が良い」程度のモンなのです。

 と、今のところ、上記の様な内容なのですが、4月7日付けの夕刊各紙に掲載されていたように、国民年金の繰上減額率が大幅に緩和されそうです。

 詳しくは、こちらをご覧下さい。

(2000.4.8)


● 60歳になれば受給できる訳ではない

 年金(以下、断りの無い場合は、老齢年金と考えて下さい。)は、「手続きをしないと受給できない」と述べましたが、60歳になって手続きさえすれば、誰でも受給できる訳ではありません。

年金を受給するためには、年齢とともにもう一つ、大きな要件があります。
 それは、年金を受給するために必要な、ある一定の年数を経過しているかどうか? と言うことです。このことを、「受給資格期間がある」とか「受給要件を満たした」等と言います。

 別掲の年金早見表をご覧下さい。

 一番左端の、生年月日欄をご覧下さい。今年度60歳になる方は、赤い文字になっている、昭和15年4月2日~昭和16年4月1日生まれの方になります。

 年金は年度単位の運用になりますので、このような年度に対応した生年月日ごとの輪切りで区別をして行きます。「年度で始まるのなら、なぜ4月1日から始まっていないのか?」と、思われる方も多いと思いますが、これは民法で、「誕生日の前日をもって、満年齢に達する。」と規定されているからです。

 つまり、「4月2日生まれの人は、誕生日の前日である4月1日に満60才になる」ために、年度に対応する輪切りの区分ではこうなるのです。

 表の上部に「必要な加入年数」と言う項目が有ります。これが「受給に必要な期間=受給資格期間」で、大きく分けて、3つの種類が有ります。
 生年月日の区分を横に見て、「必要な加入年数」を、縦に降ろして交わったところが必要な年数になります。

 では、それぞれの要件を見てみましょう。

 まずAの要件は、厚生年金単独か、共済年金単独か、またはその二つの混在で20年(やがて25年に伸びる)必要です。

 Bの要件は、男性40才・女性35才(この区切りを「中年以降」としています)以降に、厚生年金が15年(やがて20年に伸びる)必要。

 Cの要件は、A・B共に満たせなくとも、国民年金の期間を合せて25年以上有ればO.K.と、言うものです。
以上の3要件のうち、どれか一つを満たす事が必要です。

 その上で、60才になっているかどうか?つまり、年金は必要な期間と年齢の二つの条件がそろって、初めて受給する事が出来ると言うことです。

(2000.4.1)


● 年金は手続きしないともらえません

 「60才になったのに、いくら待っても年金がもらえない。」

 最近は情報が随分と行き渡ってきたお陰で、このような方は大分少なくなってきました。 それでもいまだに、40~50人に一人位はいらっしゃるのです。

 年金は、黙って待っていたのではいつまで経ってももらえません。
黙っていても連絡が来るのは、税務署からの督促状ぐらいのものだと覚えておきましょう。

(年金関係でも連絡をくれるものが無い訳ではありません。 すでに受給している 方には改定通知とか、現況届けとか・・・ 。でも、まだもらって いない方には、国民年金保険料の督促状とか、20才になった学生への強制加入 の通知とか、有難いものはあまり無いのが実状です。)

 年金をもらうためには、「裁定請求書」という書類(役所に有り)に必要事項を記入し、年金手帳・戸籍謄本・住民票・課税証明などを添付の上、役所へ提出することが必要です。

 添付する書類は、年金の種類(国民年金か、厚生年金か、共済年金か、また、老齢年金か、障害年金か、遺族年金か)の違いや、加入歴、配偶者や子供(18才になった年の年度末までの子)の有無などにより異なります。

 また、提出する役所も、国民年金は市区町村の国民年金課、厚生年金は社会保険事務所、共済年金ならば各共済組合とこれまた違ったところとなります。

 人生60年やってきて(又は、障害や家族を亡くして大変な時に)初めて直面する問題(手続き)なため、なかなかスンナリとは行かない事が多いのです。

 ”お上”からお金を頂くってぇのは、結構大変なモンなのです。

(2000.4.1)


● 年金は何故難しいか?

 「年金は何故こんなに難しいのか?」

 答えは、「過去を引きずっているから」です。

 ごく大雑把に言うと、日本の年金制度は明治8年の「海軍退隠令」に始まり、やがて 「恩給法」「共済年金」へとつながって行くもの。
 昭和15年の「船員保険(年金部門)」・昭和16年の「労働者年金保険」(昭和19年に「厚生年金」へと改正)・昭和36年からの「国民年金」と言うように、公務員・民間との大きな2つの流れが有ります。

 法律が作られた当初の明治・大正時代まで、日本人の平均寿命はまさに「人生50年」でした。 また、太平洋戦争という、激動の時代も有り、今日までの長い年月の間、社会情勢は大きく変わりました。

 政府は年金制度を"生きた制度"とするため、各時代に合わせ幾度となく法改正を重ねて来ましたが、「既得権を保護」するために、「過去を引きずった」改正をしなければなりませんでした。 そのために「特例」が多く、まるで迷路の様になってしまったのです。

 でも、年金って本当に難しいのでしょうか?

 年金の相談員にでもなろうと思うならば、かなりの覚悟が必要でしょう。
でも、一般の方ならば「私の場合はどうなのか?」さえ知っていれば、充分ではありませんか? だとすれば、本当はそんなに難しいもんでも無いのです。 余分なものは必要ありません「私の場合」だけを考えて下さい。

 ただし、Aさんの「私の場合」とBさんの「私の場合」とでは、決して「同じとは言えない」事もご理解下さい。 でないと、「AさんもBさんもCさんも、皆言っていることが違う。 何が正しいか判らない。」ことになってしまいます。

 おそらく、3人とも正しいことを言っているのですよ。
ただし、3人とも「私の場合」の話を、「年金って言うモンはネェ・・・」と話している場合が多いのです。 これも、年金を難しくしている大きな原因の一つです。

2000.4.1


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